トウモロコシはイネ科の野菜で一見育てるのが難しそうに思え
ますが、荒地でも育つほど丈夫な野菜なのです。
日当たりが良ければベランタのプランターや大型の植木鉢でも
よく育ちますよ、種からでも簡単に育てられる初心者向けの野
菜なのですね。
トウモロコシは多肥せいで過剰な養分を吸ってくれるので畑の
土壌改善野菜としても利用出来ます。
また、高温を好むので日当たりの良い場所で育てるのが上手に
収穫までたどり着くための重要ポイントです。
ここでは、とうもろこしの育て方、害虫、病気対策について、
紹介します。
家庭菜園 とうもろこしの育て方は?
【種蒔き時期】
・冷涼地:4中~5上
・中間地:4上~4下
・暖 地:4上~4中
【植え付け時期】
・冷涼地:5中~5下
・中間地:5上~5中
・暖 地:4下~5上
【収穫期】
・冷涼地:7中~8上
・中間地:7上~7下
・暖 地:6下~7中
【種の選び方】
トウモロコシは種からでも苗からでもとても簡単に育てなれま
す。
市販の苗から利用する時は植え付き時期を適切に守ることがポ
イントです。
育てやすい品種は、おひさまコーン・ハニーバンタム・ピータ
ーコーン・みわくのコーンなどがあります。
比較的どの品種でも育ってくれますので好みで選びましょう。
【良い苗の選び方】
トウモロコシを苗から植える場合は本葉が3枚以下で、茎が太く
緑色の濃い苗を選ぶようにしましょう。
苗が育ち過ぎたはあ゛位は、定植する時に傷んで枯れてしまう
ことがあります。
ポットに苗が2本以上植えられているものは良い苗だけを残して
他は間引くようにします。
【プランタサイズ】
トウモロコシを育てるときに適したプランターサイズは、深型
で大型サイズ(60cm以上)のものを必ず利用しましょう。
トウモロコシは直根性のため根が深くまで張り出します。
浅型のプランターやコンテナは利用しないようにしましょう。
【土づくり】
トウモロコシ栽培に適した用土は市販の培養土を利用するのが
簡単ですが、自分で作る時は赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライ
ト1を混ぜ合わせて作ります。
それに石灰を用土10?当たり10gと化成肥料を用土10?当た
り10~30g混ぜ合わせましょう。
植え付け前の準備として、市販のプランターに2~3㎝ほどウォ
ータースペースを残して培養土を入れておくようにします。
用土は植え付けの1か月前までに土作りを済ませておき、植え付け
の2週間前に元肥を施しておくようにしましょう。
【種から育てる(種蒔き)】
トウモロコシを種から植える時はポリポットに植える方法と直播
きする方法があります。
ポリポットで育てる時は9cmポットに2~3粒蒔いて本葉が3
枚になるまでポットで育てましょう。
種は発芽を促すために種を蒔く前に一晩水に浸しておきます。
種を植える時は指の第1関節まで種を押し込んでやり、表面の土を
平らにならしておきましょう。
直播きする時は、プランターの場合は株間を20cm程度あけて
種を蒔きます。
畑に直接撒く場合は、株間30cm、条間50~60cmの2条まき
とします。
1箇所に付き3~4粒点蒔きします。
トウモロコシは種を蒔いた後、発芽するまでの間は用土の表面が
乾かないようにこまめに水やりを行うようにしましょう。
種を植えた後に敷き藁やマルチングを行うと乾燥を防止する効果
があるのでおすすめです。
直播きする時は植え付け直後に野鳥(ハト)の被害に良く合いま
す。
野鳥からの被害を防ぐ為に防鳥ネットなどのベタがけを行ってお
くようにしましょう。
【苗の植え方(定植)】
トウモロコシは種を植えてから約1週間~10日ほどで芽が出て
きます。
苗は本葉2~3枚で草丈が15~20cm程度になった頃が植え付け
の適期となります。
根鉢より少し大きめの植え穴を予め堀っておいてそこに丁寧に植
え付けていきます。
トウモロコシの苗を植え付ける際は、根鉢を壊さないように丁寧
にポリポットから取り出しましょう。
プランターに植える場合は株間を15~20cmあけ、畑に植え付け
る時は株間を30cm、条間50~60cmの2条植えとします。
枯れた葉があれば植え付ける前に除去しておきましょう。
【間引き方】
苗の草丈が15cmで本葉が5~6枚になった時に、育ちの良い
株を1本だけ残して他の苗はすべて間引きしてしまいましょう。
植え付けする前のポットで育てている時に間引いても問題ありま
せんが、その際は確実に定植することが大切です。
トウモロコシの苗を間引きをする際に注意することは、茎の部分
を切らずにハサミを地中に入れて根の部分から切り取ようにする
ことです。
手で勢いよく株を引き抜いてしまうと残したい株の根を切ってし
まって後の成長が遅れる原因となってしまいます。
【水やり頻度と与える量】
トウモロコシは乾燥に弱い面があるので、栽培期間中は用土の表
面が乾いたら水やりを忘れずにおこないましょう。
特に開花前後と成熟前後に水やりが不足すると実成りに影響が出
ますので、用土の乾燥しすぎには注意が必要です。
ただし、過度の水やりは根の発達に影響が出るのでやり過ぎても
いけません。
回数を増やすのではなく一度に与える量を増やすようにすると良
いでしょう。
【追肥の頻度と与える量】
トウモロコシをプランターやコンテナで育てる時は追肥をしっか
りと施してやらないと大きな実が育ちません。
プランター栽培の場合は追肥を合計2回行います。
1回目の追肥は本葉が6~8枚になった時、2回目の追肥は雄穂
が出た時です。
1株あたり化成肥料を10gコンテナの淵に沿って蒔いてそのあ
と軽く土に混ぜ込むように施しましょう。
畑で育てる時は元肥で育てますが、草丈が50~60cmになった時
に1回だけ追肥を行いましょう。
株元に化成肥料30gを施して、その後、株が倒れないように土寄
せを行います。
【支柱立て(台風対策)と整枝(わき芽取り)】
マンションなどのベランダでトウモロコシを栽培する時は風によ
って倒れないように支柱を立ててやりましょう。
特に大型の台風や突風が来ると背の高いトウモロコシは風の煽り
をまともに受けて根元から倒れてしまう事がよくあります。
支柱は1回目の追肥を行った頃に行いましょう。
追肥を行う頃から生育が旺盛になるので支柱を立てるタイミング
に注意して下さい。
トウモロコシには根元から写真の様なわき芽が次々と生えてきま
す。
トウモロコシの整枝やわき芽取りは基本的には必要ありません。
ちなみにわき芽のことを「分げつ」と呼びます。
わき芽は根を張ると株が倒れにくくなるだけでなく、光合成が活
発となって実の太りも良くなるので、切り取らずにそのまま伸ば
しておきましょう。
【人工授粉と実の調整】
トウモロコシは通常は虫ではなく風によって花粉が運ばれて受粉
します。
ただし、プランター栽培では本数が少ない為に受粉が十分に行わ
れず、実入りが少なくなってしまう事がよくあるので人工的に受
粉させましょう。
実数の調整トウモロコシの人工授粉のやり方ですが、まず雄花
(左上画像)を写真の黄色線の位置で切り取ります。
株元のふさふさした毛のような部分が雌穂(左下画像)といって
トウモロコシの雌花になります。先ほど切り取った雄花を雌花の
上で揺らして花粉を振り掛けるようにして受粉させましょう。
通常トウモロコシの実は1つの株から2~3個ほどなりますが、
絹糸が見え始めた頃に一番大きく育つ最上部の実を1つだけを残
して、他の実は全て切り取ってしまいましょう。
2本以上実を成らせても未成熟の食べる部分の少ない実が出来て
しまいます。
未成熟な実は「ヤングコーン」として食べることが出来ます。
【収穫適期】
トウモロコシは受粉してから20日~30日経った頃が収穫適期です。
見た目で収穫適期を判断するには先端にある絹糸が茶色になって
枯れた時に頭の部分を少しだけめくって実入りを確かめます。
トウモロコシは品種ごとに生育日数が違っているため収穫の目安
が種袋などに良く記載されていますが、トウモロコシは気象条件
によって収穫までの日数がかなり変化します。
絹糸が茶色になったら試し取りをしてみましょう。
皮をめくって先端の粒が丸みを帯びていたら収穫適期です。
トウモロコシは収穫時期が早すぎても遅すぎても品質が落ちてし
まいます。
収穫時期・タイミング収穫が早い時は実の詰りが悪く身の色も白
色で、逆に収穫が遅れると粒の表面に凹みやしわが生じてしまい
ます。
トウモロコシの適期はとても短く適期を逃すと糖分がみるみる減
少して甘味が無くなってしまいますので、収穫時期を逃さないよ
うに気を付けましょう。
トウモロコシの収穫の仕方は手でしっかりと実を握り豪快にもぎ
取ります。
トウモロコシを収穫する時間帯は早朝が良いとされています。
また、トウモロコシは収穫後も糖分がどんどん減少してしまいま
すので、収穫した後はすぐに茹でて甘味を逃がさないようにしま
しょう。
家庭菜園 トウモロコシの害虫は?
トウモロコシに発生しやすい害虫は、アワノメイガ、イネヨトウ、
アブラムシ類です。
アワノメイガ、イネヨトウの幼虫は見つけ次第、早急に処分し、
万が一被害を受けてしまった株は早めに切り取ってしまいましょ
う。
家庭菜園 トウモロコシの病気対策は?
トウモロコシに良く発生する病気には、ごま葉枯病や斑点病、黒
穂病などがありますが、被害は殆どないので特に病気の対策をす
る必要はありません。
まとめ
ブラジルのある地域では、トウモロコシ畑にはハッショウマメを
下草として混植する、という伝承的な農法があります。
その畑には雑草が少ししか生えません。
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