感染性の胃腸炎にはウイルスによるものと細菌によるものがあ
ります。症状は嘔吐・下痢が主ですが、ウイルス性と細菌性で
は治療法が違ってきます。
しかしながら、散発例において初期の臨床症状で区別すること
は困難です。2006年冬季はウイルス性の感染胃腸炎が流行して
います。
ここでは、冬季に流行するウイルス性の感染性胃腸炎について
紹介しましょう。
目次
ウイルス性感染性胃腸炎の原因?
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等が原因となり
ます。特に、2006年冬季はノロウイルスが流行しています。も
ともと、ノロウイルスは冬季に生ガキなどの二枚貝に存在し、
ウイルスを保有する貝を食した際に感染し、食中毒を引き起こ
します。
貝の鮮度とウイルスの有無は関係ありません。10個から100個の
ウイルスで感染が成立するほど伝染性の強いウイルスであるた
め、患者の吐物、便が感染源となることも多いと考えられます。
また、老健施設や病院などの集団発生も報告それています。
【胃腸炎の表】
ウイルス性感染性胃腸炎の症状?
嘔気・嘔吐、軟便~水様便などの胃腸症状がおこります。この
時に腹痛を生じることが多く、37~38℃台の発熱を伴うことも
あります。
脱水や発熱による全身倦怠感が非常に強くなることもあります。
感染する期間
嘔吐物、便には1gあたり1億個のウイルスが存在することもあ
ります。便中には1~2週間もウイルスの排泄が続く場合もあり
二次感染を起こさせないように注意する必要があります。
ウイルス性感染性胃腸炎の家庭での取り組み?
手洗いを励行し、タオルを家人と共用しないことが重要です。
ペーパータオルを使用することもありですね。患者さんの吐物、
下痢便を始末する時には、手袋、マスクをして飛沫がかからな
いようにすることが大事です。
また、処理後には手洗い、うがいをして下さい。処理に使った
雑巾はピューラックス(次亜鉛素酸ナトリウム)で消毒しますが、
家庭では二次感染を防ぐために捨ててしまったほうが無難です。
症状が消失しても、数日は便へのウイルスの排出が続くため、
入浴は、家のなかで最後にしましょう。
ウイルス性感染性胃腸炎の出席停止のめやす?
症状が消失するまでは出席停止です。食品関係の仕事に従事し
ている方は、症状が消失してからも2~3日は休んだほうがよい
と考えられます。
まとめ
ウイルス性胃腸炎の多くの人は数日で回復します。しかし、小
児、高齢者や持病のある人では脱水により病態が悪化したり、
吐物を誤嚥して肺炎を併発したりする危険があり注意が必要で
す。
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